早めが肝心!事故などで抜けた歯を戻すための注意点
- 2023/08/03 ブログ
こんにちは、さくらみちの宮川桜道歯科医院です。
海や山にプールなど、
お出かけする機会が増える楽しい季節ですが、
そうした場所では
思わぬ事故や怪我に
遭遇してしまうこともあります。
いざというときに、
慌てず迅速に対応することが
皆さんの健康を守ることに繋がりますので、
しっかりと準備を行い、
楽しい夏を過ごしましょう!
そこで今回は、
「もし事故や怪我で歯が抜けてしまったら
どのようにすれば歯の生存率を上げられるか」を
ご紹介したいと思います。
◆抜けた歯を守るカギは
『歯根膜(しこんまく)』
事故や怪我などで抜けた歯を
元に戻せるかどうかは、
「歯根膜を守れるかどうか」で
大きく左右されます。
そもそも歯根膜とは、歯の根っこを覆う
0.3mmほどのとても薄い膜のことです。
歯を支える『歯槽骨(しそうこつ)』と、
歯の根を結びつけているほか、
食べものを噛んだり、
歯に強い力が加わったりしたときに
その衝撃を吸収する
クッションの役割も果たしています。
もし、事故や怪我などで
不意に歯が抜けたとしても、
この『歯根膜』が無事なら、
元の位置に戻せる可能性が高くなります。
しかし、
歯根膜は非常にデリケートなため、
扱い方を間違えると
あっという間に失われてしまうのです。
◆歯根膜が危ない!NG行動
歯が抜けたときに
絶対にやってはいけないこと、それは
・歯の根を持つ
・汚れを取ろうとする
この2つです。
まず、抜けた歯を持つときは必ず
歯の頭(歯冠部分)を持つようにしましょう。
歯の根には歯根膜がついており、
そこを素手で触ってしまうと、
歯根膜が傷ついてしまう可能性があります。
また、抜けた歯を
地面などに落としてしまった場合には、
汚れを取りたくなるかもしれませんが、
その際には細心の注意が必要です。
ゴシゴシとこすったり、
石鹸や消毒液で念入りに洗ったりすると、
歯根膜まで取れてしまいます。
抜けた歯を洗うときには、
・歯の頭を持つ
・流水で10~20秒以内にサッと洗い流す
この2つのポイントを必ず守りましょう!
◆「早めの受診」は絶対条件!
歯根膜は乾燥に弱く、
たったの20分弱で
歯根膜の生存率は大きく低下する
といわれています。
そのため、抜けた歯を元に戻すには
1秒でも早い受診が必要不可欠なのです。
しかし、状況によっては
そんなすぐに歯医者へ行けない…
という方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合におすすめなのが、
『牛乳』や『生理食塩水』に浸けておくことです。
一番おすすめなのは、
『専用の保存液』に浸けておくことですが、
近くのお店では手に入らない場合もあります。
その点、牛乳や生理食塩水は
ご家庭でも用意しやすいため、
保存液が手に入らないときには
この2つで代用しましょう。
専用の保存液であれば約24時間、
牛乳なら約6時間、
生理食塩水は1時間程度まで
歯根膜の生存率を延ばせる可能性があります。
歯根膜がきれいな状態で、
なおかつ早めに受診できれば、
歯を元に戻せる確率は
それだけ高くなります。
歯が抜けてしまった際には、
適切な方法で歯を保存して、
可能な限り早く
歯科を受診することを心がけましょう!
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